この度の旅行ではミシュランのガイドブックと地図に大変お世話になりました。出発前から研究し、旅行中もこれらを頼りに車を走らせました。実際に車で走って見てこの地図の素晴らしさを実感しました。
まず日本の地図にはないもので、私が素晴らしいと感じた点を挙げましょう。
@「この道は景色の良い絶好のドライブ・コースです。」という道には特別な色が付けてあります。大きな国道にも、山の中の小さな道にもついています。時間と手間暇をかけて実際に現地へ行って調べたものでしょう。私達も大いに参考にしました。
A「この地点は見晴らしが良く、まわりの景色が良く見えます。」というポイントには *のような特別のマークがついています。私達はこのマークをペカペカマークと呼びました。しかもどの方向が良く見えるかも分かるようになっています。「この地点からこっちの方向の見晴らしが良いのであれば、たぶんあの山が見えるであろう。」という推測が出
来る訳です。日本の地図でも多少はこのようなマークがついているものもありますが、これほど徹底していて、親切なものはありません。
B「ターブル・ドリアンタシオン」というテーブル形のマークがあります。最初私達はこれがどんなものを表しているのか分かりませんでした。たいてい高い山の頂上や高台にあるペカペカマークと一緒にあることが多いのです。主人が推測して言いました。「ほら、日本でも山が見えるところなんかに時々あるじゃないか。山の絵が画いてあって、山の名前が書き込まれている銅版とか絵とか。あれじゃないかな。」でも地図を見ると結構あちこちにこのマークが画いてあるのです。「そんなものがこんなにたくさんあるのかな。」と半信半疑でした。実際現地へ行って、初めて地図にターブル・ドリアンタシオンが画いてある地点へ行ってそのものを見付けた時はちょっとした感激でした。予想した通りのものがそこにあったのです。道路にもターブル・ドリアンタシオンを示す案内標識があったのにも驚きました。それにしてもフランス中にこんなにたくさんのターブル・ドリアンタシオンがあるのでしょうか。答えは「その道り。」でした。
私達はあちらこちらでターブル・ドリアンタシオンを見ました。お陰で半信半疑で「あれは○○山じゃないかな。」ということが無く、確信をもって「あれが××山だ。」と言い切ることができます。××山を見た感動がさらに大きくなるような気がします。
フランス人もターブル・ドリアンタシオンが好きらしく、高い所へ上って釆た人は、大体真っ先にターブル・ドリアンタシオンヘ釆て、「あれが△△山だ・・・」 とみんなでやっています。たいていそこには人が集まっていました。日本にももっとこういうものを作って欲しいと思いますが、国中にたくさんあるターブル・ドリアンタシオンを、全部とは言わないまでも、こんなにたくさん地図に載せているミシュランも偉いと思いました。フランス人がこういうものが好きだからこそ、たくさん作られミシュランも載せるのでしょうが、ミシュランのお陰で私達はたくさんのターブル・ドリアンタシオンを見ることができました。
Cフランスの大きな道路には番号がついています。
A・6のようにAで始まればオートルー(高速道路)
N・85のようにNで始まれば国道
D・751のようにDで始まれば県道です。
そして地図にはAからDに至るまで、すべての道路番号が書かれているのです。地図を見て、あらかじめ「バルビゾンからD・64を2kmぐらい走ってN・39に乗り、約10kmでA・6に乗ってパリヘ行く。」というメモを作っておきます。道路の要所要所や分岐点には必ず道路番号のついた標識がありますから、それと見合わせて行けば間違うことはありません。
地図と標識の両方が整備されているので、私達のような初めて通る外国人でも間違わずに目的地へ行けるのです。
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